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平成22,10, 4
おはようございます。
今日のお話はこれです。(『iPS細胞』と書いた紙を掲げて見せる)
iPS細胞(人工多能性幹細胞)の話です。わたしたち人間やすべての生き物の体は、細胞という小さなつぶが集まっできています。人間の体は、約60兆個の細胞でできています。
iPS細胞とは、ヒトの皮ふからとった細胞に4つの遺伝子(細胞の中にあって、体をつくる小さな設計図のようなもの)を入れて成長させ、筋肉・胃や腸など内臓その他体のあらゆる部分につくっていくことのできる細胞のことで、万能細胞と言われています。
たとえば、病気で内臓(胃、腸、肺、心臓他なんでも)が悪い人がいたとすると、その人の皮ふから細胞を取り出して、iPS細胞にすれば、そのiPS細胞を内臓の細胞に成長させることができるのです。悪くなった内臓の細胞を、iPS細胞でつくった内臓の細胞と手術で取りかえれば、病気が治せるというわけです。
すごいことですね。夢のような気がしませんか。しかし、これが、夢ではなく、動物実験ではすでに証明されている確かなことなのです。今はまだ、人間に使うことはできていませんが、いずれは人間にも使うことができるようになります。
このiPS細胞が最も期待されていることは、ガンや心臓の病気などを治すこと。それから現在の医学では治せないという、とても難しい病気(難病)にかかっている人を救うことにあります。たとえば、筋肉がどんどん衰えて、歩くことも手を動かすこともできなくなり、最後は寝たきりになってしまうという病気、反対に筋肉がどんどん骨に変わっていって体が動かなくなるという病気などの原因をつきとめ、治療する方法を見つけることにあります。
このiPS細胞をつくった人は、京都大学教授の山中伸弥先生という偉いお医者さんです。山中先生は、早くこのiPS細胞が、人間に使えるように今一生懸命に研究しているところです。日本中、いや世界中の難病にかかっている人々が、山中先生たち研究班の成功を待っています。研究の成功が遅れれば、命のなくなってしまう難病の人もいるからです。
この素晴らしいiPS細胞をつくった山中先生にノ−ベル賞を贈ってはどうかという話が起きています。ノーベル賞とは、世界の人のためになるような優れた発見や研究をした人または平和のために尽くした人に与えられる世界で最も権威と名誉のある賞のことです。
そのノーベル賞が、山中伸弥先生に贈られるという発表が、今日か明日あります。すばらしいことですね。受賞の知らせを、みんなで期待して待っていましょう。
そして、ガンや難病で苦しむ人たちがiPS細胞によって早く救われることを、心から願っていましょう。
お話終わります。